浪人失格

恥の多い生涯を送ってきました。徒然なるままに日々の考えを記録していきたいと思います。

アスペの国

昨日、夜中に麻雀してたらポメダこんなん書いてたよねみたいなことをサトウマサヤくんに言われて、そういえばこんなこと書いてたなぁと思ったので、せっかく書いたんだからここにでも書き残しておきたいと思います。

 

 去年の12月ぐらいに、なんか長い小説を読むのに飽きていて、ずっと星新一さんのショートショートを読んでいました。

そんな中で東大行った同期に「ポメダなんかアスペを風刺した文章を書いてみてよ」みたいなことを言われて、筆の赴くままに紙に書き殴っていたものを電子化しました。

心なしかショートショートっぽくなっているのは、先述の理由のせいです。

 

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『アスペの国』

僕は生まれながら、みんなが話していることが理解できない。「今日のごはん何?」とお母さんに聞くと、「私はスキーが大好きです」という返事が来て、僕は困った顔をする。

お母さんに限った話じゃなくて、クラスの友達の会話を聞いてみても
「昨日テレビ見た?」
シンガポール行ってみたいな」
「確かに、阿部寛はイケメンだもんね」
「いや、三日前はクリスマスだったよ」
というような会話が続く。これは『会話』と果たして言えるのだろうか。情報が適切に交換されているんだろうか。

昔は僕だってよく周りの人と話そうとした。「今日の天気はどうなのかな」と同級生が言っていたら「天気予報では午後から雨だってさ」だとか、「なんの宿題が出てたっけ」と言っていたら「数学と英語だね」と答えてみたこともある。でもそれを言うたびに相手は「お前何言ってるんだ?」というような、冷めた目で僕を見てきた。

幸い、親戚にお医者さんがいたから、生活に耐えられなくなって診てもらうことにした。
「本日はどういうご要件で来ましたか」
「相手と話が通じないんです」
するとやはり例の冷めた視線を向けてきたあと、にっこり笑って
「おしりかゆいなぁ」
と本人の中では気を利かせたであろう返事をしてくださったのだが、僕には全く理解出来なかった。すれ違って進まない押し問答の中、そのお医者さんは最終的にこんなことをおっしゃった。
アスペルガー症候群ですね」
どうやら僕は病気だったらしい。

自分が病気だということが分かってからは、周りとの付き合いにおいてだいぶ気持ちが楽になった。自分が返事したいこと、というものは世間から見て全く意味の通じないことらしい。チンパンジーの鳴き声とさして変わらないんじゃないだろうか。


リハビリテーションのナースさんが、「本日の調子はいかがですか」と聞いてきたので、僕はつい「なかなか良い方ですよ」と返しそうになったが、それを押しとどめて「これはペンです」と言った。するとナースさんは満足そうな顔をした。話が通じるということはなんて素晴らしいことなんだろうか!僕は感動した。

 

ただ、一つ文句を言わせてもらうとすると「健常者のフリをするのは大変だなぁ」