浪人失格

恥の多い生涯を送ってきました。徒然なるままに日々の考えを記録していきたいと思います。

誰かへ捧げる浪人総括〜第9章 現役時代の面接③〜

「賢い」というのは、何を以て賢いと言えるのかなぁと思うことがあります。

知識が沢山あることでしょうか、頭の回転が早いということでしょうか。🤔

どちらにしろ、現役時代までの僕は、なんだかんだ言って自分がとても「賢い」と思っていました。

世の中の人間には世界の都市名を言ってもあまり通じないし、中学受験で使いもしないのにやらされるような星の名前を会話で出しても伝わらない。
リンの発見はあるドイツ人が人間の尿から金ができるはずだと信じて(色が似てるから)、バケツ50杯の尿を集めて、様々なプロセスを経た結果、蝋質の物体になって、自然発火した。みたいな面白い雑学も知らないし、物がぶつかる時に本当にぶつかってると思い込んでいる。僕がベッドに寝転ぶ時、実際にはぶつかっていない、僕とベッドの負の電荷を帯びた場が、弾きあっているだけで、ものすごく微妙に浮いていて原子同士が接触してる訳じゃない。基本的に物体ってスカスカなので、仮に電荷を帯びてなかったら、スーッと互いを通り抜けていっちゃうし、今僕は二階で寝っ転がりながらこれを書いていますが、ベッドも床もスーッと通り抜けて一階に落ちて、さらにどんどん地中に潜っていってしまうでしょう。みなさん、地底でまた会いましょう✋
(こういう話を文系でも面白おかしく知りたいなぁという人は、新潮文庫のビル・ブライソン氏の「人類が知っていること全ての短い歴史」(原題:A Short History of Nearly Everything)をオススメします。人類がどうやって地球の重さを測ったのか、宇宙の年齢を計算しようとしたのか。科学者の葛藤と様々な知識、さっきの話みたいな小ネタも収録されてます。)

アイドルが「いっぱい好き〜」みたいなことを歌っていると喜んでいる人がいるでしょう。でもあれアイドルが自分でそう思って言ってるわけではないし、おっさんが作詞作曲して、おっさんが好き好き書いてるだけなんですよね。まぁそんなことで、アイドルは大嫌いだったんですが、僕の行動原理はかなり安直なので、カナムラさんがアイドル大好きだったという理由から、1回勉強してみました。すると案外悪くないんですね。食わず嫌い。本質情報ですが、「他人がハマっているものってハマる理由がある。」っていうのは最近得た知見です。
なんでこんな話をしたのかと言うと、その中の「バレッタ」という曲で「図書室の窓際で、女子たちが声潜め、会議中、ヘミングウェイを読みながら、僕はチラ見した」みたいな歌詞があるんですけど。絶対歌ってるアイドルの方達はヘミングウェイの本読んだことないだろって言うのと、共感したとか言ってる一般のファンの殆どは読んでないだろみたいな。

ここまで散々一般の方を舐め腐って、こんな雑学知ってるんだぞ凄いだろ😤みたいな風に思っていた僕ですが、最近は自分のことをクソ馬鹿だなぁと思います。


僕は服のブランドも知らなければ、洗濯機の回し方も知らない。公共料金の支払い方も分からなければ、ワックスの付け方も分からない。ご飯だって、「お母さんご飯〜」って言えば出てくるもんだと思って19年間育てられてきた。

「「「圧倒的に生活力が足らない」」」

流石にお米を炊くのに洗剤は使いませんが、電子レンジに冷凍食品をそのままぶち込んで、火花を散らして発火させたこととかは普通にあります。

結局ね、人間って生きててあんまりこの人が賢くてこの人は賢くないなっていうのはあんまり知識という面では差がないと思います。長年生きていればその分の経験をつむわけで、何が違うのかっていうとベクトルが違うだけです。
僕の知識が、早口誰得雑学・飯屋・服屋の順に⑤、①、①とすると、ほかの人たちは②、②、③とかあって、知識の総量という面で見ると⑦で変わんないよなぁみたいな。たまに⑨、無、マイナスの人間とか、⑤、⑤、⑤みたいな人間というのもいて、そういうのは勝てないなぁと思います。

 

世の中には様々なベクトルで成長して活躍することができます。スポーツ選手はスポーツの面で活躍するし、美的センスがある人はデザイナーとして活躍できます。

その中で僕は一番安直で面白みのないよくある受験勉強というものを選んでしまって(果たしてほんとにしてたのかというと疑問)。

人生が100回あったら、いろんなベクトルで頑張って見たいと思います。といっても、僕なんかが100回生まれ直してもスポーツ選手になれるかというと厳しいので、1万回ぐらいは欲しいです。1万回あっても、メジャーリーガーになれるかというと、それよりもひと握りの人達なので、やっぱり、この世の中にいる七十数億人という多種多様な人々には、束になっても勝てる気がしません。

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第9章 現役時代の面接③

国立医学部の試験は筆記を1日目にやって面接を2日目にやることが多いです。(が、東大理3とかは1.2日目が筆記で3日目が面接です。)

面接でどういうこと聞かれるか、どういう人数で、どれぐらいの時間あるのか、配点はどんなもんなのか。大学によって全然違うので、ちょっとネットとか本でしらべればわかると思います。

医学部の面接はなんで始まったのかというと、オウム真理教地下鉄サリン事件に東大の現役医学部の生徒が加担したからみたいな話を聞いたことがあります。(でも、そんなこといったら化学系の方達も薬品の知識かなり持ってね…??と思うんですけど)真偽は知らない。

医学部の面接は、基本的にこういう経緯からなので「ヤバいやつを入れない」「ヤバいやつをハジく」という目的であることが多いようで、ちゃんとしてれば大丈夫と言われています。配点がない大学とかはまさにそうですね。

 

といっても、案外身近にヤバいやつはいます。筑波面接のときの僕はヤバいやつだったし、今年理3に受かったクポタくんは、慶医にも順天にも日医にも受かっていますが、慈恵の面接で、面接官に「小学生でもそんなこと分かるよ〜😩」というようなことを言われて、キレて刃向かったらしく落ちています。ペーパーテスト的に絶対落ちないような人ですから、面接って割と落ちるんですね。

普通の学部の人が社会人になるのに就職面接をしますが、医師の場合はこの大学受験の面接がいわば就活みたいなもんなので、しっかりやって損はないです。

 

まぁ基本的にそんな対策しなくてもヤバいこと言わなければ大丈夫といっても例外が結構あります。
①面接に配点があるところ
②私立

①について、面接に配点があるところは、案外ちゃんと採点しています。千葉大学とかは、僕が面接してる時に、僕から見えそうで見えないところら辺の机でかなり細かく紙の項目に丸をつけていました。内容はあんまり見えてませんでしたのでテキトーですが。ハキハキ喋ることができるA〜D、内容がしっかりしてるA〜D、論理崩壊してないか〜とかたぶんそんな項目があったのでしょう。
なんなのかは知りませんが、そういうなにかしらにチェックをつけていそうなのはわかりました。
あと、地方医学部だと、その地方出身の人がすごい優遇されて、別の地方から来た人が差別されて点数削られまくる的なことをよく聞くので、前もって調べておいてください。ここらへんは偏差値とかだけじゃ測れません。

②私立。私立は昔は闇が深くて、だいぶクリーンになったと言われています。昔は学費が高くて偏差値も低くてお金を積めば入れるみたいな話をよく聞きましたが、学費が下がって医学部人気になって偏差値も爆上げされました。それでも、やはりまだ闇の深い部分はあるようで、「慈恵は親がそこの出身だと受かる〜」とかそんなことがよく言われています。
他にはですね「順天は運動部じゃないと受からない〜」とかも言われてます。(なんかスポーツ科と強制で1年同じ寮だからかなんかしらないですけど、実際合格者が運動部まみれっぽくて怖い)
私立の何があれかっていうと点数開示しないところが多いということで、割とブラックボックス。その分面接重視してるみたいなのもあるかもしれませんし、そんなことは無いかもしれません。というか、僕がここで偉そうに医学部の面接について語ってること自体がおかしいんですよ。そんなまず調べてないので。たぶん真剣に進学を考えている読者の方がいたら既に僕より知ってるだろうし、進学するつもりのない人にこんな話をしても無駄でしょうしね。


千葉はですね。受験番号順に午前の部と午後の部に分かれるんですけど。これから千葉というか医学部を受けようと思っている後輩は「絶対に早い受験番号をとった方がいい」です。遅い番号になっちゃうと待ち時間がかなり長くなるし解放される時間も遅いです。

千葉の面接は独特オブ独特で、1対1の5分くらいの面接を三回やります。しかも、めっちゃ大きい部屋で机が何個もあって受験生20人ぐらいまとめてやるので、基本的に部屋がうるさいから大きな声でやらねばいけません。三回やって三人の評価が違うと、再面接に送られます。
別に再面接に回されると落ちるということはなくて、僕の高校同期で受かった二人は二人とも再面接に送られていました。

内容はというと、何か問題を与えられて、口頭でその解決策を述べさせられる。みたいな感じです。

中高でそこらへんの練習みたいなのを普段からしていたので、全然苦ではありませんでした。僕が気をつけるのは内容と言うよりはつい早口になってしまうことです。基本的に面接の点数はだいたい100点中70点と言われています。

午前の部の最後の最後だった僕は長い間待たされてイライラしていましたが、その間に教室の奴らを監視していて、あー開成生多いなぁとか、こいつ見たことあるなぁだとか思っていました。

待たされてようやく面接、最初に放った言葉は

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121番、開成高校出身。あw間違えましたw筑波大学附属駒場高等学校出身のポメダポモキです。
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な ぜ 嘘 を つ い た 。
試験会場で受験生のこと見てたら、サブリミナル効果で間違えてしまった。
これには試験官も苦笑い。

でも他は筑波面接から改心してる僕は割とまともに答えました。割とマトモなんで面白いことは無いですが、問題が面白かったのでのっけるだけのっけておきます。記憶の齟齬もあるし、問題文が冗長だったので要約してのっけます。

①忘れた。
②あなたは医師と患者を割り当てる係だったが、部下の医師がこの症例は沢山見てきたから他の患者に変えてくれと言ってきたが、あなたはどうするか。
③友達が不正して処分を受けた。学内で署名運動で嘆願しようという動きがあるがあなたはどうするか。

みたいな感じでした。面接の過去問とかテキトーに本とか買ったりネットで調べたら出てきますが面白い問題が多いです。基本的に「正解がない問題」なので、自分の意見を筋道立てて言うだけなのでeasyです。

①は忘れちゃいましたが、②については

その部下はその症例をたくさん見てきたのだからある程度得意になっているはずで、患者から見た場合に技術的に信頼出来るような割り当てになっている。その部下の医師は患者本位ではなく自分のスキルアップに焦点を当てて自分本位になってしまっている。もちろん向上心は素晴らしいが、当然その人の対応技術の無い新しい症例を一人で見せることは出来ないから、先輩医師のスケジュールとの兼ね合いがついて余裕があれば奨励したい。みたいなことをベラベラ喋りました。

③について

これはほんとにクソ問だと思います。不正の内容についてなんも書いてないし、詳しく聞いたら「そりゃ不正は不正だよねぇ」だとか「処分されるような不正だよねぇ」としか答えてくれない。
そこでしょうがなく、不正の事実確認をして、その程度によって自分の倫理観を損なうことのない範囲で、協力したいと言いました。そして、やるにしても署名という方法が効果的であるかについては疑問が残るので、そこらへんを精査した上でケースバイケースで対応策を考えようと思う。
というまぁ当たり前のことを当たり前に言いました。


面接を終えたら、再面接に回される可能性があるので、別室にとじこめられます。普通は嫌なんですけど、たまたま列を挟んで斜め前に僕の推しがいて、その子学校が共学で、中学制服で高校は私服みたいなところで普段いっつもズボンだったんですが、面接用になんちゃって制服みたいなのを着ていて、スカートでした。眼福でした。僕はもう死んでもいいと思いました。

 

自分のことを現代日本が生んだ宝。実質天才外科医。だと思い込んでいた精神異常者だったので、本当に受かっていると思っていて、ずっとウキウキしていました。

前期試験を終え、卒業式を終えて、沖縄に無人島旅行に行きました(http://kusomaguroman.hatenablog.com/entry/2017/07/21/224900)。(無人島の記事についてですが、第2章書いてる時に飽きてやめてしまって、後輩とかに続き書いてとよく言われるんですが、なんせ一年前のことなんでほとんど忘れてしまいました。)

無人島から沖縄本島に戻って、3/8、合格発表がありました。僕は当然自分が受かっていると思っていたし、この日は僕がいつも迎える365日の1日にすぎず、当たり前のように受かって当たり前のようにみんなから祝われると思っていました。
そんな当たり前の確認作業だと思っていたから、国際通りでちんすこうを食べ歩きしながら、ちょっと路地に入って

「今から合格発表見て、結果どっちでも真顔でいるから合否当ててみww」

と友達に対して言いました。僕は自分は受かってるだろうから、「さぁいったいどうやって落ちたフリをしようかなぁww」と思案していました。

合格発表直後はサーバーが落ちがちなので、ネットで確認するのにも時間がかかる。ようやく開いた。

自分の番号121番。僕は中学の学籍番号36、高校の学籍番号は49だったので平方数に縁があったと思っていました。

 

ただ、121番はありませんでした。

図らずして渋い顔になりました。この瞬間、1ヶ月後から大学生になる自分は死にました。突然の死。

突然僕が今死んだとして、本来僕は僕が死んだということを知覚できません。なぜなら僕は死んでいるから。

でも、僕の目の前には、まさしく僕の死というものが鮮明に、ありありと映っていたーーー

 

友達は二人は僕の顔を見て「落ちた」と言いました。一人は「受かった」と言いました。

その「受かった」という発言が、僕に深く突き刺さった。


みなさん、これは受かった人にはわからないと思いますが、落ちた時ってどういう気分になると思います?

「えーあんだけ頑張ってきたのにー!」
「ちくしょー!次は頑張って受かるぞ!」

こんなんだと思いますか?全然違います

「あ!wぽちた!w」
「はぁ…そうですか…」

こんなもんしか出てきません。それで終わりです。不合格というものは、不合格者に対して、言葉を喋らせる力そのものを奪ってしまいます。死者が「次」に夢を馳せるなんてちゃんちゃらおかしいことはできません、そんなん死者じゃありません。


そのあと僕は市場みたいなところに行ってちんすこうを爆買いしていたら、おばちゃんに「大学生?」と聞かれました。

「受験生でしたが、ついさっき落ちました!w」

そう言うと、おばちゃんは「人生は長いからね」と慰めてくれました。


沖縄県は浪人に優しくて、うちなータイムという独特の概念があり、集合にちょっと遅れていく文化があります。


僕は高校同期と一緒に大学に集合する、ということには失敗して、1年間遅れてしまうということになりました。

 

そもそもこの過去編に当たる第7〜9章についてはもともと書くつもりは無かった。次から時系列は今年の1月後半に戻ります。


(第10章 私大受験・面接編に続く)